西俊輔の「毎日楽しく」

2018年2月号(Vol.150)

 最近、ビットコインをはじめとする仮想通貨が話題ですが、そんな中、国内大手の仮想通貨取引所で580億円もの仮想通貨が不正に流出したという事件がニュースになりました。4年ほど前にも別の取引所で同様の流出事件がありましたが、このときもやはり500億円近い仮想通貨が流出したそうです。今回問題になった取引所は事件が起こる前から、顧客の資産管理手法にセキュリティー上の懸念があるとして監督官庁である金融庁から改善要請が出されていたそうで、取り扱い業者としての登録の可否についてもまだ審査中の会社だったんだそうです。

仮想通貨がこれほど話題になっているのはなんといっても、これで多額のお金を儲ける人が出ているからです。たった数十万円を元手に文字通りの「億万長者」が続出しているために、我も我もと購入する人が増え、いまや仮想通貨の市場で日本人の取引シェアはなんと4割にも達するそうで、これはもちろん世界一の規模だそうです。ただ、一方ではこうした流出事件によって預けていたお金が回収できなくなったり、価格が下落して元手を失うことになったり、場合によっては借金を背負うことになってしまう人もやはり続出しているようですから、これから仮想通貨の購入を考えている方は、こうしたリスクがあることを覚悟しておかなければなりません。

以前、なにかの本で読んだことですが、お金にはある種のパワーがあるそうで、たとえば何億円というような大金を手にする人には、それなりの「準備」が必要なんだそうです。そのため、こうした準備ができていない状態でたとえば宝くじで大金を当てたといったような、いわゆる「棚ボタ」で大金を手にしてしまうと、家族を始めとする近しい人との人間関係が壊れたり、生活がハデになってむしろ大金を手にする前より貧乏になったりと、人生が狂ってしまうということもよく言われることです。たしかに、相続などでも遺産をめぐって、ご家族の関係が壊れてしまうということはけっしてめずらしいことではありませんし、急成長した企業などでも、同様の問題はよく聞く話です。

生きていく上でお金はたしかに大切ですけど、必要以上のお金を手にして大切な人たちとの関係が壊れてしまうとすれば、それが本当に幸せといえるのか疑問が残りますが、みなさんはどう思いますか?

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