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PayPay100億円狂想曲と気をつけなきゃいけないこと

2018年12月12日

この週末、家電量販店に出かけていって、なんかいつもより混んでいるなぁと感じたなら、それはPayPay(ペイペイ)のせいです。「なんだ、そのどっかのパンダみたいな名前は!」と思った方いませんか。私は思いましたよ。

PayPayというのは、ソフトバンクとヤフーが立ち上げた電子マネーのことです。12月4日から大規模なキャンペーンをやっていて、その名も「100億円あげちゃうキャンペーン」っていうんです。なんとPayPayで支払うと20%も還元されるんです。普通、どんなポイント還元でも数%がいいところじゃないですか。それが20%なんですから、みんな大騒ぎ。しかも数十回に1回は全額戻ってくるキャンペーンも同時にやっているので、そりゃ家電量販店に行列もできます。

このキャンペーン、期限は2019年3月31日もしくは還元額が100億円に達するまでです。だからみんな「100億無くなる前に急げーっ!!」とばかりに血なまこになって買い物をしているわけです。 だからといってこのブログを読んで「ナニ!私も早く買わなきゃ!!」と思ったアナタ、ちょっと待ってください。ここは冷静になって。これから買おうとしているものが本当に必要ならいいですが、ただこのキャンペーンのためだけに大して必要のないものに大枚をはたくのはなんとも本末転倒な話ですから。

家電量販店に行列ができている理由は、ふだん値引きのないiPhoneやiPad、macなどのアップル製品や、ゲーム機本体、テレビなどの高額商品を20%還元で買いたい人が集まっているから。でもそれ本当に必要なんですかね??確かに普段まず割引販売されないアップル製品を買えば、なんだかとってもオトクな気がしてしまいます。「実質20%引きで買えたぜ~」なんてほくそ笑んでしまいそうです。

でもよく考えてください。アナタは決して20%引きで買ったわけじゃない。20%分のポイントが還元されたのであって20%引きではないんです。 「いやいや、20%分のポイント還元なんだから実質20%引きだろ」、そう思ったアナタは電子マネーの戦略に見事にハマっていると言えます。

たとえば10万円のiPhoneを買ったとしましょう。あとで2万円分のポイントが戻ってきます。でも勘違いしちゃいけないのは、最初に10万円払っているという事実です。そして戻ってくるのは2万円ではなくて、あくまで2万円分のポイントだということです。実質8万円で買ったわけじゃありません。それは錯覚で、あくまで10万円で買っているんですよ。だって実際10万円払っているわけですから。で、あとで2万円分のポイントが付いて、それは2万円分の何かをタダでもらえるということです。つまり実質8万円ではなくて、10万円プラス2万円の実質12万円のものを10万円で買った、これが正しい解釈です。

これ、2万円の現金が戻ってくるわけじゃないところがミソで、ポイントなので当然ながらお金じゃありません。2万円が現金として戻ってくるというのなら、確かに実質8万円で買ったことになり、その場合は正しい。でもそうではない。あくまでポイントなんです。ポイントなのだから基本使えるところは限定されている。PayPayにしたって、使えるお店は非常に限られている。 これはべつにPayPayに限らずどんなポイント還元にも言えることなのでぜひ覚えておいてください。

我々にとって大事なのはポイントではなくて現金です。いくらポイントがあったって使える場所は限定されているし、買えるものも限定されている。なおかつもしそのサービスが終了したりそのお店が潰れでもしたら、たとえ100万ポイント持っていたとしても一瞬にしてパーです。だから我々はポイントを貯めるんじゃなくてお金を貯めなければならない。なんだかとても当たり前なことを言っている気がしますが、重要な考え方です。

もし家電量販店で10万円のものを買うときに1万円の値引きと10%のポイント還元のどちらかを選べるとしたら、もうおわかりですね、1万円の値引きを選ぶんですよ。つまりポイント還元などいらないから値引きしてくれ、これが正しい交渉です(もちろん値引きするうえにポイント還元もあればなおいいのは言うまでもないです)。

さて、そんな話をしたうえで、それでもやっぱり今ならPayPayは超オトクなことに変わりはありませんから、とりあえずスマホにアプリをインストールしてみるのもいいと思います。登録しただけで500円分の電子マネーがもらえちゃいますから。ちょっとびっくりですね。 でも支払いのときに「ペイペイでお願いします」っていうの、なんか恥ずかしくないですか・・。ペイペイって。

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