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カレーを手抜き料理だと思っている人に言いたい

2021年02月22日

男の私が、料理しますよと言うと、へぇ何が得意ですかと訊かれ、カレーです、と答えると決まって笑われる。内心ムッとするが嘲笑する気持ちもわからないでもない。

カレーは手抜き料理の代名詞だ。そもそも料理ですらないと言い切る人もいる。なぜカレーだけがそんな憂き目に遭うのだろう。作るのが簡単だから?確かにそう。野菜や肉を切って炒めて水を張る。沸騰したらアクを取りルーを溶かして出来上がり。30分もあれば事足りる。小学生にだって作れちゃう。でもそれだけが理由?もっとほかになにかありそう。考える。ほかの料理との決定的な違いはなにか。

こういったときは別の料理と比較してみるのがいい。たとえば手抜き料理という言葉からは程遠い肉じゃが。私はカレーと同じくらい肉じゃがも好物だけれど、カレーは幾度も作ってきたのに肉じゃがは一度も作ったことがない。なぜ?肉じゃが作りを避けてきたのはなぜ?

思い当たる理由はひとつしかない。美味しく作るのが難しそうだから。言いかえれば失敗しそうだから。これだ。カレーだったら市販のルーを入れるだけだから、美味しく作るも何もルー次第というところがある。失敗しようがない。

一方、肉じゃがときたら、すべての味付けを自分でしなくてはいけない。野菜や肉を炒めるだけじゃだめなのだ。そのあとに待ち受ける味付けという、それこそ経験がものを言いそうな領域へと足を踏み込む必要がある。そこには多分に失敗の香りが潜んでいる。

これでわかった。世間が料理として認めるかどうかの境目は、つまるところこの味付けを自分でするか他人に任せるかというところで決まってくるのではなかろうか。だとしたら確かにカレーは手抜き料理かもしれない。でも裏を返せばルーを入れるだけじゃなくてそこに自分なりの味付けを施したなら、それはもう立派な料理として認めてほしい。隠し味として中濃ソースを入れたりチョコレートを入れたりするのは料理へと昇格させる充分な条件となりはしませんか。まだ足りない?

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