貸借対照表で会社の健康状態を知る
2015年6月号 Vol.154
年に一度の健康診断を受けると、さまざまな数値が記載された健康診断表が手元に届きます。これを見ると自分が健康かどうか、どこが良くないのかひと目でわかります。同様に会社の健康状態を知ろうと思えば、人間の健康診断表にあたる貸借対照表(BalanceSheet:B/S)と呼ばれるものを読み解く必要があります。
貸借対照表は資金の運用と調達を表す
貸借対照表は、会社のある時点(月末や期末)の財政状態を示します。表の左側(借方)は、「資金が何に使われたか」を表します。具体的には、流動資産(現金預金などすぐに現金化できるもの)や固定資産(建物や機械など)が該当します。
反対に表の右側(貸方)は、「資金がどこから入ってきたか」を表します。流動負債(買掛金などの短期間で返済するもの)や固定負債(長期借入金などのすぐに返さなくてよいもの)、純資産(自己資本など)が該当します。
貸借対照表
健康な会社(優良企業)はバランスが良い
一般に健康な会社の貸借対照表は次のような式が成り立ちます。
(1) 流動資産 > 流動負債
(2) 固定資産 < 固定負債+純資産
また純資産の割合が大きいことも特徴です。
この観点から自社の貸借対照表を確認してみましょう。健康かどうか、健康でないならどこに問題があるのかが、実は貸借対照表を見ればかなりわかります。