ふたば便り

小規模企業共済加入のメリット

2015年11月号 Vol.159 小規模企業共済制度をご存知でしょうか。小規模企業の個人事業主や役員が、事業をやめたり退職したりした場合に備えて主に退職後の生活資金を積み立てておく制度です。この制度にはさまざまなメリットがあります。今回はそれについて説明します。  

制度に加入できる条件とは

小規模企業共済制度に加入できるのは、常時使用する従業員(※)が20人以下(商業・サービス業<宿泊業・娯楽業を除く>は5人以下)の個人事業主やその経営に携わる共同経営者、会社等の役員です。 ※「常時使用する従業員」とは、個人事業主や法人(会社など)の役員、共同経営者(2人まで)、家族従業員、パート従業員、アルバイトなどの臨時に期間を定めて雇い入れている者を除いた、正社員として雇用されている方を意味します。  

加入メリットその1 掛金全額を所得から控除できる

掛金は月額1,000円から最高7万円まで500円単位で自由に選べます。この掛金は全額、契約者個人の所得から控除できます。つまりそのぶん節税できるということです。たとえば課税所得400万円の人が掛金3万円で加入した場合、加入前の税金は約78万円(※)、加入後は約67万円となり、差額約11万円の節税効果があります。 ※住民税と復興特別所得税を含みます。  

加入メリットその2 前納したら割引がある

掛金は前納できます。この場合、前納掛金に対して一定割合で前納減額金が受け取れます。いわば割引制度のようなものです。  

加入メリットその3 将来受け取る際も節税効果がある

将来、共済金を受け取る際に、一括受取の場合には退職所得扱いに、分割受取の場合は雑所得扱いになり、いずれも所得控除を受けられます(※)。 ※受取方法は「一括」「分割(10年・15年)」「一括と分割の併用」のいずれかから選ぶことができます。  

加入メリットその4 事業資金の貸付制度がある

加入者は、払い込んだ掛金の範囲内で事業資金などの低利の貸付(担保、保証人不要)が受けられます(条件あり)。   このようにメリットの多い小規模企業共済制度ですが、以下のようなデメリットにも注意が必要です。

加入デメリットその1 加入期間が短いと元本割れする

掛金の納付月数が240ヶ月(20年)以内で解約した場合、受け取れる額はそれまでに支払った掛金合計額を下回ります。ただし、それまでの節税効果を考慮すると一概に損をするとは言えません。  

加入デメリットその2 掛金の増額は自由だが減額には条件が要る

掛金を増額する場合には何の条件もなく可能ですが、減額する場合には一定の条件があることに注意が必要です。条件としては、事業経営の著しい悪化や疾病または負傷などです。

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