役員報酬を改定するときの注意点 前編
役員報酬については、会社の業績をみてから金額の改定を検討することが多いと思います。しかし、改定する理由によっては、その一部が経費と認められないことがあるので注意が必要です。
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経費として認められる役員報酬とは?
税務上、毎月支払う役員報酬については、次の要件を満たす「定期同額給与」に該当すれば会社の経費になります。また、役員への賞与は原則として会社の経費になりませんが、税務署への事前届出など一定の要件を満たすと経費になる場合もあります(「事前確定届出給与」)。定期同額給与については税務署への届出は不要です。
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経費として認められない役員報酬とは?
役員報酬改定のタイミングとして、期中に改定しようと考えることもあるでしょう。しかし、役員報酬が全額経費として認められる要件は、上記の通り、毎月同額にする必要があるので、途中で変更してしまうと一部が経費として認められなくなってしまいます。
・一部が経費にならない役員報酬の改定例
・3月決算法人が10月に役員給与を増額した場合
・3月決算法人が10月から役員給与を減額した場合
※例えば、定時株主総会(5月下旬)において、定期給与の額をいったんは前年と同額と決議したものの10月から減額した場合、4月・5月の定期給与は経費になるが、減額改定前(6月~9月)の定期給与のうち減額改定後の定期給与の額を超える部分(濃い色)の金額は経費にならない。
次回は、期中で改定した場合の役員報酬が全額経費と認められるための具体的な条件についてお伝えします。