平成29年度の税制改正大綱
2017年 1月号(Vol.173)
昨年12月8日に政府与党は平成29年度税制改正大綱を発表しました。正式に決定するのは3月末の国会通過後になりますが、その内容の一部についてみていきましょう。
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<所得税>
□配偶者控除と配偶者特別控除の見直し
配偶者控除の対象となる配偶者の所得制限が、これまでの103万円(収入がパート収入など給与のみの場合)から150万円(収入がパート収入など給与のみの場合)に引き上げられます。
□増改築に係る住宅ローン控除の拡充
省エネ改修工事と併せて行う一定の耐久性向上改修工事が、増改築に係る住宅ローン控除の対象工事に加えられます。
<法人税>
□投資促進税制の拡充
中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却または税額控除制度について、対象となる設備の範囲が拡大されました。
□中小企業者等に係る法人税の軽減税率の特例延長
800万円以下の所得(利益)について15%とされている中小企業者等の法人税の軽減税率の適用期限が平成30年度末まで2年間延長されます。
<相続税・贈与税>
□非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度の見直し
相続時精算課税制度による贈与が、非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度の適用対象に加えられます。
□相続税・贈与税の納税義務の見直し
海外に居住する日本国籍を有する者について相続税が課税対象外とされる要件が、従来の相続開始前5年以内に国内に居住していなかったという要件から10年以内に変更されます。
<その他>
□居住用超高層建築物に係る課税の見直し
いわゆるタワーマンションにかかる固定資産税についてはこれまで階層による差がありませんでしたが、今回の改正により階層が高くなるほど固定資産税も高くなります。