ふたば便り

平成30年から配偶者控除の対象者と源泉徴収の仕方が変わります

2017年 11月号(Vol.183)

年末調整で使う「扶養控除等申告書」を記載してもらう時期になってきました。今年は配偶者控除等の税制改正に伴い、対象となる配偶者と、平成30年1月からの源泉徴収の仕方が変わっており、扶養控除等申告書の記載についても、以下のような点に注意が必要です。

【 扶養控除等申告書の変更点 】

・「控除対象配偶者」 ⇒ 「源泉控除対象配偶者」へ変更
 
これまで配偶者控除の対象となっていた「控除対象配偶者」は納税者本人(たとえばご主人)と生計を一にする配偶者(たとえば奥様)で所得の見積額が38万円以下(収入が給与のみであれば103万円以下)の人でした。

これが「源泉控除対象配偶者」という名称に改められ、納税者本人の所得の見積額が900万円以下(収入が給与のみであれば1,120万円以下)でなおかつ配偶者の所得の見積額が85万円以下(収入が給与のみであれば150万円以下)の人が対象となります。すなわち、配偶者の所得制限は引き上げられましたが、その代わり、納税者本人の所得制限があらたに設けられました。なお、「配偶者控除」の対象とならない配偶者で、「配偶者特別控除」の対象となる配偶者についても納税者本人と配偶者の所得制限についての見直しが行われています。

・「障害者控除」欄の配偶者についての記載の変更
 
「障害者控除」欄の対象者が配偶者の場合、これまでは「控除対象配偶者」という名称になっていたところが、「同一生計配偶者」という名称に変更されています。

【 平成30年1月からの源泉徴収の仕方の変更 】

これまでは、配偶者(たとえば奥様)が改正前の「控除対象配偶者」に該当する場合には、納税者本人(たとえばご主人)の給与に係る毎月の源泉徴収税額を計算するにあたってその配偶者の人数を考慮し、配偶者の所得が多いために「控除対象配偶者」に該当せず「配偶者特別控除」の対象者だった場合には納税者本人の毎月の源泉徴収税額の計算では考慮せず、年末調整で対応していました。
これが平成30年1月からは、これまでなら納税者本人の給与に係る毎月の源泉徴収税額の計算で考慮していなかった配偶者であっても、その配偶者が改正後の「源泉控除対象配偶者」に該当する場合は、その人数も考慮して納税者本人の毎月の源泉徴収税額を計算することになります。
 この改正は「源泉控除対象配偶者」の所得制限がこれまでの「控除対象配偶者」よりも引き上げられたことに伴う変更です。

一覧に戻る