平成30年度の税制改正大綱
2018年 1月号(Vol.185)
昨年12月14日に政府与党は平成30年度税制改正大綱を発表しました。正式に決定するのは3月末の国会通過後になりますが、その内容の一部についてみていきましょう。
<法人税>
□所得拡大促進税制の見直し・拡充
賃上げや設備投資を一定割合以上行ったら給与支給増加額の15%の税額控除、更に教育訓練費の増加要件を満たせば20%の税額控除が認められ、一定の要件を満たした中小企業では、給与支給増加額の最大25%の税額控除が認められる制度に改正されます(平成30年4月から3年間の時限措置)。
□中小企業の設備投資支援
中小企業の一定の要件を満たす設備投資について、固定資産税を2分の1からゼロまで軽減することを可能とする時限的な特例措置が創設されます(平成33年3月31日取得分まで適用)。
<所得税>
□個人所得課税(所得控除)の見直し
給与所得控除や公的年金等控除が見直され、所得の高い給与所得者や年金所得者についてはこれまでより所得税が増税になります(平成32年分以後の所得税について適用)。
<相続税・贈与税>
□事業承継税制の拡充
非上場株式に係る贈与税・相続税の納税猶予の特例制度について、10年間(平成39年12月31日まで)の特例措置として、各種要件がこれまでより緩和されます。
①これまで納税猶予の対象となる株式数が制限されていましたが、すべての株式が対象となります
②8割の雇用確保要件の弾力化
③2名又は3名の後継者に対する贈与・相続に対象を拡大
④経営環境の変化に対応した減免制度の創設など
<その他>
□国際観光旅客税(仮称)の創設
日本から出国する観光客等に対して、出国1回につき1,000円の国際観光旅客税(仮称)が徴収されます(平成31年1月7日以後の出国から)。
□森林環境税(仮称)の創設
平成36年度から年額1,000円の森林環境税(仮称)が課税されます。 市町村が個人住民税均等割と併せて賦課徴収を行う予定です。