ふたば便り

コロナ禍を乗り切るための貸借対照表の見直し

新型コロナウイルス感染症の影響の長期化が予想される中、多くの会社が現状を乗り切るためには、手元資金の確保とともに、自社の財務状況の現状を再確認することが重要と言えます。今月は、会社の財務状況を表している貸借対照表(B/S)を見直して手元資金の確保につなげる道筋についてみていきましょう。

 

【貸借対照表(B/S)】

(クリックで拡大できます)

 

B/Sの右側(貸方)は、資金の調達先(どこからお金が入ってきたか)を表しており、負債は他人資本、純資産は自己資本とも呼ばれます(上図参照)。

他人資本は、借入金など返済が必要なものですが、自己資本は、株主からの出資(資本金)と過去の経営活動によって得た利益の蓄積(利益剰余金)であり、返済が不要なものです。

一方、B/Sの左側(借方)は、調達したお金の運用状況(どのように運用されているか)を表し、流動資産・固定資産・投資その他資産等で構成されます。

 

【見直しの方法】

より多くの手元資金を確保してコロナ禍を乗り切るために、B/Sの各勘定科目に表示されている資産・負債をチェックしてみましょう。

  • 1)売掛金・・・残高が大きくなり過ぎていないでしょうか。回収が滞っている、又は回収サイトが長期化している売掛金があるなら、入金の督促や回収サイトの短縮の依頼などを考えましょう。
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  • 2)棚卸資産・・・在庫が必要以上に増えると、資金繰りが苦しくなります。不良在庫の処分や在庫管理について検討しましょう。
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  • 3)固定資産・投資その他資産・・・もう利用していない土地・建物・機械設備等(遊休資産)はないでしょうか。処分できる遊休資産や不要な生命保険の解約(返戻金取得)等を検討しましょう。
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  • 4)借入金・・・条件の有利な融資への借り換えや返済スケジュールの変更等を検討しましょう。

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