少欲知足
この毎日楽しくも今月がNo.240号ということで、始めてから今回でめでたく20年になりました!
内容はまあ、いいときもあればどうでもいい内容のときもありますが、我ながらよく続いてるもんだと思います。20年も続けてると、No.1号の内容を知らないという弊社職員やお客様も多いと思いますので、今月はNo.1号の内容を再掲してみようと思います。
1回目は私が以前読んで感動した「ひろさちや」さんの本に載っていたインドの民話について書きます。
あるところに99頭の牛を持つ大金持ちの男がいました。男はあと1頭の牛を手に入れればきりのいい100頭になると考えてわざとボロの服を着て貧乏人になりすまし、遠くに住む幼なじみの家を訪ねます。幼なじみは1頭の牛を持って細々と生活していました。大金持ちの男は自分が生活に困るぐらい貧乏であるという嘘をならべたて、気の毒に思った幼なじみはたった1頭の牛をその男にあげてしまいます。男は念願の牛100頭を手に入れてうれしくてしかたありません。一方、幼なじみの貧しい男も友達を助けることができてよかったと喜んでいました。では、どちらの喜びが本物でしょうか、というかたちで民話は終わっているそうです。
これに対するひろさちやさんの考えはこうです。金持ちの男の喜びはたった一晩で終わってしまうでしょう。なぜなら、彼は翌日目を覚ましたとき「さあ、次は150頭を目指してがんばるぞ」と考え、持っている牛がたちまちマイナス50頭になります。そしてそのマイナス分を埋めていくために、またあくせく、イライラ、がつがつしなければなりません。人間の欲望は止まるところを知らないというのです。これに対してたった1頭の牛をあげてしまった男の喜びは「いいことをした」という思いで精神的にうるおい、ずっと続く喜びです。したがって幼なじみの貧しい男の喜びが本物でしょうと。
私ははじめてこれを読んだとき、ドキっとしました。いろいろなものをもっとほしいと思っている自分はいつも「マイナス」の状態でいるかもしれないと思ったからです。でもこれでは毎日を楽しく幸せに生きることはできないとひろさちやさんはいいます。欲を少なくしてこれで充分という気持ちを持つことが、幸せに生きるためには大事だというのです。
みなさんはどう思われますか?
というのが毎日楽しくNo.1号の内容でした。ビジネスをしているとこの話にドキっとする方も多いと思いますが、私なりのこれに対する考え方は次号でご紹介したいと思います。