西俊輔の「毎日楽しく」

2015年9月号 Vol.121

先日、ある大きなフォーラムに出席したのですが、そこで講演をしてくださった方のお話しが大変おもしろいものでした。この方、起業する人を支援したり、人材育成の支援をする会社の代表者の方なんですが、大企業の新製品開発のお手伝いもするなど、大変幅広く活躍されている方です。ご自身の就職や起業を通じて知り合った人達の影響も受けながら独特の考え方をするようになったそうで、その一つに、とにかく人を好きになること、というのがありました。

職場や家庭でモメそうになったときなどは特に、相手に対して、自分はあなたのことが大好きだと口に出して言ってしまうんだそうです。本当にそう思えるようになるのが一番ですが、仮に心底そう思ってなくても、それを言ってしまうとまずケンカにはならないとおっしゃっていました(まあ、そうでしょうね…)。

ビジネスにおいても、お客様のことを好きになって家族のように思うことができればたいていのことはうまくいく、というのは、この方に限らず、いろいろな人が言ってることでもあります。ビジネスの神髄は「思いやり」につきる、というのはシンプルですが、大変深い考え方だと思いました。

また、「失敗」についてお話しされていた内容も大変興味深いものでした。失敗と成功を分けるのは途中で諦めるか、諦めないかの違いだけという考え方です。3回チャレンジしてダメなら10回チャレンジする、10回チャレンジしてダメなら100回チャレンジする、1,000回チャレンジすることができればたいていのことはうまくいくので、失敗は成功するまでの途中経過にすぎないというわけです。

失敗したら喜ぶという考え方も理由を聞けばなるほどと思いますが、実践するのはこれまた難しそうです。失敗することによって貴重な学びが得られるのだから、大いに喜ぶべきということです。

この方、数年前に命にかかわる大病をしたそうですが、それ以来、人生の期限というものを意識するようになり、1日たりとも無駄にはできないと考えて日々過ごしているそうです。
これは前月も書いたことですが、もしも今日が人生最後の日だったら、と考えながら生きることができれば、人はみんな、人生をもっと有意義に過ごすことができるのかもしれません。

みなさん、自分と関わったすべての人を、「みんな大好き!」と考えることってできますか?私はまだまだ修行が必要なようです…。

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