西俊輔の「毎日楽しく」

2017年7月号(Vol.143)

ここ最近、スポーツの世界で日本人選手の活躍があいつぎました。卓球で中国のトップ選手に勝つ選手が出てきたり、世界三大自動車レースのひとつで日本人選手が優勝したり、つい最近もゴルフのメジャー大会であわや優勝という活躍をみせる選手が出ました。その昔、競技人口が少ないスポーツにおいてノウハウやテクニックで先行する日本人選手が活躍していたころもありましたが、現在では世界でたくさんの人が参加するようになって多くのスポーツで競技人口が増えましたから、そこで勝つのは以前より難易度が上がっているかもしれませんし、しかも、これまで日本人があまり勝てなかった分野で勝ったとなると、その意味でもこれまでとは勝利の意味が少々違うように感じますが、実際はどうなんでしょうか。もともと身体的にめぐまれたわけではない日本人選手が世界のトップ選手と勝負するのは大変だと思うんですが、そんな厳しい状況の中で勝つために、多くの指導者やコーチが口にする言葉に「メンタル」というものがあります。要するに精神的な強さです。

 

どんなスポーツであれ、世界のトップを争う選手たちの技能面の差は実は紙一重ということがよく言われます。そうした選手たちの間で最後に勝負を分けるのは精神的な強さだということです。特にスポーツにおいては、勝ちたい気持ちのより強いほうが勝つことになるのでしょう。テニスでつい最近まで絶対的な強さを誇っていたあるトップ選手が最近急に勝てなくなりましたが、そんなに急にテニスが下手になるはずはないですから、ケガが原因でないとすれば、その理由はたしかにメンタルなのかもしれません。

 

 人間の思いの力というのは、なにもスポーツに限ったことではありません。ビジネスにおいても、たとえば松下幸之助さんや稲盛和夫さんといった有名な経営者が思いの力についてお話されています。なにかを成し遂げようと思えば、まずはそれを強く思わなければならないそうです。その思いが強ければ強いほどその人の実際の行動を変え、あきらめそう

になるような厳しい場面でも、それを成し遂げていく強い原動力になるといいます。さらに、その思いが私欲から出

たものでない場合は世の中全体もその達成を応援してくれるといいます。

 みなさんはふだん、そうした強い思いで仕事をしていますか? 私はまだまだ思いの力が弱いようです・・・。

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