西俊輔の「毎日楽しく」

2018年3月号(Vol.151)

 2月9日から2週間以上にわたって行われていた平昌オリンピックが終わりましたね。

今回、日本が獲得したメダルの数は計13個となり、10個のメダルを獲得してこれまでの最高だった1998年の長野オリンピックを抜いて史上最多となりました。長野のときと比べて競技の数そのものが増えているということもありましたが、メダルを獲得するための選手本人はもちろん、関係者の方々の努力によって成し遂げられた点が大きかったことは間違いありません。

開幕前には、オリンピックにお金を出しているスポンサー企業の知的財産を保護するために、スポンサー企業以外が主催する選手の壮行会などがマスコミには公開できなくて壮行会そのものが取りやめになってしまったり、開幕後もオリンピックが政治的に利用されていることを意識させられる場面が今回は特に強かったというようなゴタゴタもありました。が、競技の内容自体はそうした問題をすっかり忘れさせてくれるぐらいの感動的なドラマがたくさん生まれましたし、やはりスポーツはいいですよね。 

今回メダルを取るような選手たちをみていてつくづく思ったのは、その選手たちの精神的な強さです。その種目で世界のトップを争う選手たちですから、持って生まれた才能や身体的能力の高さはもちろんありますが、同じような能力を持っている選手たちの間で最後に勝敗を分けるのが何かといえば、それはやはり能力を出し切る精神的な強さと、つらくて厳しい練習を何年にもわたって継続できるこれまた精神的な強さだと思います。その強さは、場合によっては勝利後に得られる経済的な成功がモチベーションになっているのかもしれませんが、多くの選手はとにかく勝ちたいという気持ちが強かったように思います。

なにかを成し遂げようと思えば、まずはそれを成し遂げたいと強く思うこと、というのは京セラ名誉会長の稲盛和夫さんの言葉ですが、これはスポーツに限らずビジネスをする私たちにも通じる考え方です。オリンピックでメダルを取ることに比べれば、いくらでもハードルを下げることができる私たちのビジネスにおいて、もしも自分が望んだ結果が出ていないとすれば、それは単純に「思いの力」が弱いのかもしれません。 

さて、2年後にはいよいよ東京オリンピックですが、今回の日本人選手たちの活躍をみると、こちらも俄然楽しみになってきました。それにしても、最近歳のせいか涙もろくなって、今回のオリンピックでも何度目を潤ませたかわかりません。みなさんは今回のオリンピックを楽しめましたか?

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