西俊輔の「毎日楽しく」

2018年6月号(Vol.154)

 日本大学と関西学院大学とのアメリカンフットボールの試合中、日大の選手が相手選手に対する反則行為でケガを負わせた話題は日を追うごとにニュースでの扱いが大きくなり、最近はほぼ毎日、関連するニュースを見かけるようになってます。特に、反則行為をした日大の選手本人がテレビで顔と名前を公表して記者会見を行ってからはいっそうその扱いが大きくなって、私の周りでは日常会話はもちろん、SNSなどでもこの話題にふれる人が多くなってきました。この原稿を書いている5月下旬現在、選手本人の記者会見を受けて、日大アメフト部の監督とコーチの記者会見も行われましたが、選手本人は監督とコーチの指示だったと話したのに対して、監督は反則行為を指示したこと自体を否定、コーチは選手本人が記者会見で話したような言葉を使って指示を出したことは認めたものの、相手選手にケガを負わせるという意図は否定している状態で、両者の認識には大きなズレがあるようです。なお、大学側は監督やコーチの考えを公式コメントとして発表しています。 

 反則行為自体はひどいものでしたし、いくら試合に出るために監督やコーチの指示に従ったとはいえ、本人が理性を発揮してそれを止めることはできなかったのかという選手本人の責任問題はもちろんありますが、記者会見を見る限り、けっして監督やコーチを責めたりせず、悪いのは自分と話す20歳の若者の会見に、潔さを感じたのは私だけではなかったと思います。一方、監督とコーチの記者会見の印象はというと、選手本人の記者会見のような潔さを感じられなかったのは、これまた私だけではなかったようです。 

 もちろん、真実が明らかになっていない状況の中、安易に印象だけで判断するのは良くないことですし、ひょっとすると監督やコーチの言ってるとおりなのかもしれませんのでうかつなことは言えませんが、反則行為で退場する選手をねぎらう映像や、関係者の証言、監督本人の肉声とされる反則行為を容認する録音テープの存在などを考えると、監督やコーチ、そして大学側はどうも不利な感じがしますけど・・・。 

 記者会見をした選手本人の声はもちろん、それを擁護する現役の日大アメフト部員達の声や、今回の騒動で日大の学生だというだけで就職活動で恥ずかしい思いをしているという学生達など若い人達の声を聞いて、監督やコーチ、大学側といった大人たちは、今後、どういう対応を取っていくんでしょうかね。

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