2018年10月号(Vol.158)
先月6日の未明に発生した「北海道胆振(いぶり)東部地震」は、北海道に大きな被害をもたらしました。幸い、東日本大震災のような大きな津波は発生せず、亡くなった方の数も東日本大震災よりはずっと少なかったんですが、数日に渡り北海道全域で発生した停電と断水などで多くの人が避難生活を強いられることになりました。震源地から遠かった旭川では私を含め市民の多くは避難生活などをせずに済んだようですが、めったに地震の無い旭川で震度4の揺れはこれまであまり経験したことがなく、夜中に発生した地震で目が覚めるほどでしたし、また、大変だったのはやはり停電です。当初はこれほど長く停電が続くと思ってなかったんですが、私の自宅もほぼ24時間近く停電が続き、地震発生当日の夜はローソクで照明をとることになってしまいました。
なお、私の自宅はガスや灯油でお湯をわかす家なんですが、停電のせいで結局はお湯が出なくなり、シャワーやお風呂が使えなくなったのも大変でした。あらためて電気のありがたさを再認識することになりましたが、街灯や建物の灯りが無い真っ暗な中では、夜空の星があれほどキレイに見えることにも驚きました。
今回、北海道全域で長い時間にわたって停電が発生した原因は「ブラックアウト」とよばれる現象だそうで、地震などで被害のあった発電所以外の問題のない発電所までも一斉に停止してしまい、そのために北海道全域で停電となってしまったそうです。もちろん、電力会社ではこうしたことが起きないよう、対策を取っているそうですが、少なくとも今回の北海道の地震ではその対策が機能しなかったようです。
東日本大震災の原発事故も想定外なら、今回北海道で起きたブラックアウトも想定外だったということなのかもしれませんが、自然災害を相手にする場合はどこまでの事態を想定しておけばいいのか、素人の私などには想像もつきません。ただ、少なくとも私たちが本業とするビジネスにおいては、考えられる限りなるべく多くのケースを想定して、日常の仕事に臨みたいということを強く思う出来事でした。
9月中旬の時点ではまだ多くの人が避難生活をしており、また、今回のこの地震では40名を超える方が亡くなっていますが、被災された方々にお見舞い申し上げると同時に、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。