2018年11月号(Vol.159)
みなさん、「チョコフレーク」というお菓子はご存知ですか? コーンフレークにチョコレートをコーティングしたお菓子で、私は今でもたまに食べたくなって買うことがありますが、森永製菓が販売していたチョコフレークが生産終了になるというニュースが話題になっていました。たかがお菓子の一つと言ってしまえばそれまでですが、発売開始したのが1967年といいますから今からなんと51年も前(!)で、50年以上も販売され続けてきたお菓子の生産終了だったので話題になったのかもしれません。メーカーが公表した生産終了の理由はもちろん販売の低迷だったんですが、その販売低迷の理由としてメーカーが挙げていたものが、これまた話題になっていました。その理由というのは、チョコフレークを食べると手がよごれてしまうため、スマートフォンの普及に伴い、こうしたお菓子が売れなくなった、というものでした。要するに、スマホが普及したからチョコフレークが売れなくなったということです。
この理由を目にしたとき違和感を持ったのは私だけではなかったようで、芸能人の方々を始め、様々な方がこの理由に対して意見を述べていましたが、その多くは、「なんでもスマホのせいにしないで」といった否定的な意見だったようです。このチョコフレークというお菓子を製造販売しているのは森永製菓だけではなく、大手では日清シスコというメーカーも製造販売しているんですが、日清シスコのチョコフレークは直近5年間で売上がなんと1.5倍になっているそうですから、多くの方々の意見のとおり、森永のチョコフレークの販売低迷はどうやらスマホのせいだけとは言いづらいようです。ちなみに、日清シスコのチョコフレーク発売は森永の翌年の1968年だそうなので、こちらももう50年になるそうです。
何事もそうですが、うまくいかない原因を外に求めることは簡単なことですが、それではなにかを成功させるのはなかなか難しいのかもしれません。50年以上も販売を続けたこと自体はすごいことですが、それゆえに、今の時代にあった味の工夫や食べ方の新たな提案などができていなかったのかもしれませんし、内側に原因を探してみれば、たくさんの理由があったのかもしれません。ビジネスではよく言われることですが、「うまくいったら他人のおかげ。うまくいかなかったら自分のせい」というふうに考えることができれば、成功する可能性も高くなるのかもしれませんが、みなさんはどう思いますか?