厳しい環境をどう受け止めるかで仕事も人生も大きく変わる|2020年12月号(Vo.184)
来春卒業の大学生の就職内定率が69.8%で前年同期と比べて7ポイントも下がっているんだそうです。70%を下回るのは5年ぶりだそうで、大学生にとっては大変厳しい就職環境になっています。理由はもちろん、コロナ禍のせいで採用側の会社が採用を控えているからです。最近は学生優位の売り手市場が続いていたので、このタイミングで就職活動をしなければならない学生さんたちは気の毒としか言いようがありません。
とはいえ、この状況を恨んでもどうにもなりません。京セラの稲盛和夫さんがよくおっしゃる言葉に、厳しい環境をネガティブにとらえて卑屈になり、恨みつらみを募らせるのか、それとも、その厳しい環境を自分を伸ばしてくれる機会とポジティブにとらえるのか、いずれの道を選ぶのかによって行きつくところが大きく異なるのは仕事も人生も同じこと、というものがあります。
希望の職種や会社に就職できなかったとしても、ご縁があったところで一生懸命やっていれば道がひらけてくるというのは人生ではよくあることです。今からもう25年以上も前の話ですが、私が会計士試験に合格した年も実は会計士の「就職氷河期」で、せっかく試験に受かったのに就職先が無い合格者がたくさんいたと記憶しています。私は幸いなんとか就職することができましたが、それでも、希望していた勤務地ではありませんでした。でも、あとから振り返ると、人生何が幸いするかはわかりません。人間万事塞翁が馬という言葉もあるように、今就職活動をしている学生さんたちは決して諦めないでほしいですね。
同じように、会社に勤めている方にとっても、また商売をされている方にとっても、今年は大変厳しい年になっていると思います。一部に「コロナ特需」を受けている業種もあるようですが、失業者が増え、多くの会社が新規採用を絞っていることからわかるように、ほとんどの業種で厳しい状況が続いていると思います。就活をする学生さんと同じように、これを嘆いていても状況が良くなるわけではありませんから、この環境の中で生きていくために、私たちは今できることを精一杯やるだけです。
そういうわけで今年はコロナで大変な1年でしたが、早いものでもう12月になりました。今年もみなさまには大変お世話になり、ありがとうございました。来年はみなさまにとって良い一年になりますように。