西俊輔の「毎日楽しく」

世界は理不尽にあふれてる

先月の「毎日楽しく」では、みなさんのお手元にこれが届く頃、ウクライナで戦争が始まってなければいいんですが、と書きましたが、残念ながら戦争は起きてしまいました・・・ ロシア側は「戦争」という言葉をあえて使ってないようですが、誰がどうみたってこれは戦争ですし、ロシアによる侵略戦争です。

 

ニュースで毎日ウクライナの悲惨な映像が流れてますが、どうしてこんなひどいことができるのかと、見るたびに心が痛みます。そして、アメリカやヨーロッパなどの西側諸国が、ウクライナに直接軍事的な加勢をしないことに加えて、経済制裁以外にロシアの暴挙を止める手立てがないことにも驚きました。

 

自国も戦争に巻き込まれてしまうことを考えれば、集団的自衛権が適用されるNATOの加盟国でないウクライナに加勢することはもちろん厳しいのでしょうけど、それにしても、大国から侵略される民主国家を誰も直接助けることができない理不尽さは、今回の衝撃のひとつです。

 

もともとロシアとともにソビエト連邦のひとつだったウクライナは、当時はアメリカとロシアに次ぐ世界第3位の核兵器保有国だったそうですが、アメリカやロシアなどによる安全保障と引き換えに核を放棄したんだそうです。ところが今回、「安全」を「保障」してくれるはずのロシアから攻め込まれるという理不尽なことが現実に起きてることを目の当たりにすると、国同士の約束がいかに当てにならないものかを世界に示した(悪い意味での)いい例ですし、もしもウクライナが核兵器を放棄してなければ、はたして今回の侵略は起きたのか、という議論が起こるのも当然のことかもしれません。

 

日本はアメリカと同盟関係を結んでいて、万が一、今回のウクライナのように日本が他国から攻め込まれるようなことが起きれば、アメリカは軍事的に日本を助けることになってはいます。この日米同盟がアテにならないとは言いませんが、ただ、今回のウクライナや、かつての第二次世界大戦末期に日本と当時のソ連との間で結ばれていた中立条約をロシア側が無視して北方領土が占領されたことを思えば、繰り返しになりますが、国同士の約束なんて、いつどうなるかはわかりません。

 

結局のところ、人間はまだまだ進化の途中にある野蛮な生き物で、動物の世界と変わらない弱肉強食の原理が通ってしまうのであれば、生き残るためには強くなるしかないのかもしれません。それがどういう方法によるかは私もわかりませんが、日本になにかがあれば、アメリカが助けてくれる、なんて考え方で本当に大丈夫なのかと不安になったのは、私だけではないですよね?

一覧に戻る