日本は発展途上国に?
今年の2月末、日経平均株価が38,915円という1989年末のバブル経済当時に記録した過去最高値を上回ったことが話題になりました。先月下旬には史上初の4万円台も記録し、株式投資をしない人たちや中小企業にとって短期的にどれだけ恩恵があるかはさておき、株価だけをみれば日本経済が復活してきたのかな、という印象もあります。
ただ、日本では今回、35年前の株価を追い越したといって盛り上がってるわけですけど、では、他の国はどうなっているかというと、イギリスやお隣の韓国ではこの30年ほどで株価は3倍になっているんだそうです。そしてドイツは9倍、アメリカにいたってはなんと14倍にもなっているんだそうで、30年以上前に記録した株価に追いついたといって喜んでる場合ではなさそうです・・・。この30年ほどの間に日本経済がいかに低迷していたかということの証のひとつでもありますが、この低迷の影響はいろいろなところに出ているようです。
たとえば最近、ホテルの宿泊料金が上がったと実感する人が増えてるようですが、海外からの観光客が増えてる現在、場所によってはホテルの予約そのものが取りづらくなってることと合わせて、実際に料金が上がっているのは間違いなさそうです。日本円での価格が上がったとしても、円安の現在、海外の人にとっては必ずしも高いとは見られないこともあるようですしね。
またこの円安によって、輸入品の価格もずいぶん高くなりました。私も使ってるiPhoneの最新版は高いモデルだと25万円~30万円もするようですが、日本とアメリカでのiPhoneの最廉価モデルの価格を比べると、この7年間だけでみてもアメリカでは14%の値上げ(699ドル→799ドル)なのに対して、日本ではなんと58%も高くなってるそうです(78,800円→124,800円)(いずれもアップルが公表していた価格)。
また最近、特に日本の若者の間で、ワーキングホリデーという制度を利用してイギリスなど他の先進国に「出稼ぎ」に行く人が増えてることも話題になりました。日本以外の他の先進国では、その国の最低賃金であっても現在の日本の給与の1.5倍から2倍ももらえるケースがあるからだそうです。海外からの観光客が多い北海道のニセコでは土地などの不動産価格が上がってるのはもちろんですが、ラーメンやカツ丼が3,000円(!)もするお店もあるそうで、海外の人向けの価格と日本人向けの価格との「二重価格(経済の二重構造)」も話題になり始めました。こうした二重構造は発展途上国など所得水準の低い国ではよくみられる現象だそうですが、日本はいつからこうした意味での「発展途上国」になってしまったんでしょうかね・・・?