『十角館の殺人』
2024年04月19日
私の中で不動のNo.1ミステリである『十角館の殺人』がついに映像化されました。
1987年に発売されるや日本ミステリー界を震撼させた新本格ミステリーの傑作ですが、叙述トリック(小説だからこそ成立するトリック)を用いているため長らく映像化は不可能と言われてきました。
そのため、読者全員が<映像化するならどうやって表現するか>を想像し続け議論を交わしてきました。マンガの実写化でも言われることですが、数多の読者を納得させられる作品にできるのか…映像化の発表を受けた私を含む館シリーズファンの皆さんの反応を見ていると正直期待より不安のほうが大きいように感じました。
Hulu独占配信なのでこの作品のためだけに加入して、配信開始当日に全5話を見終えました。
私の率直な感想は「頑張ったんだなあ」です。
撮影チームも俳優陣も、原作を理解して今できる最大限の力で挑んたことが伝わるつくりでした。全編通して実写化にありがちな不要な改変もなく、細部に作品への敬意が強く感じられたのがファンとしては一番嬉しかったです。私が以前に『十角館の殺人』をお貸ししたことで綾辻作品のファンになった同僚のIさんも、私と似たような感想だったと教えてくれました。
長年愛されてきた作品なので制作陣はファンからのネガティブな反応も覚悟していたと思いますが、私が見る限りそういう声は思ったより少なく「小説で描かれている風景が映像で見られて嬉しい」「登場人物が想像に近くて良かった」という感想を多く見かけました。
作者の綾辻先生が映像化を承諾され、試写を見て「及第点」と出来栄えに言及されたことも大きかったかもしれませんね。いずれにしろファンの多くから支持される映像化作品になって良かったなと思います。
まだ見てない方にはぜひドラマを見てほしい・・・感想を聞きたい!
という気持ちもあるんですが、まずは原作小説を読んでほしいと思ってしまいます笑 作品の素晴らしさを最大限感じられるのはやっぱり小説だなあと個人的には感じました。
ふたば税理士法人 ひらさわ