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『青天を衝け』と北海道

2021年11月18日

大河ドラマ『青天を衝け』、話が明治時代に入ってから見るようになりました。
明治政府のお偉方や政商が多く出てきますが、なかでも中村芝翫演じる
岩崎弥太郎(三菱創業者)の人物描写が濃いなと思いながら視聴しています。

先週の『青天を衝け』では、海運業を独占する三菱に対して三井らが渋沢に
泣きつくというシーンがありました。

この当時は、開国の機運を逃さなかった三菱が先手をとっていましたが、
三井は政府と結びつき、官有事業の払い下げをうける等(富岡製糸場など)で
次第に事業を拡大します。

こうして後に住友が加わり「三大財閥」となっていきますが、北海道の
炭鉱開発史を紐解くと、財閥の熾烈な開発競争の一端を知ることができます。

明治44(1911)年:住友歌志内炭鉱 操業開始(1971閉山)
大正3(1914)年:三井砂川炭鉱 操業開始(1987年閉山)
大正4(1915)年:三菱美唄炭鉱 採炭開始(1963年閉山)
大正5(1916)年:三菱大夕張炭鉱 採炭開始(1973年閉山)
大正7(1918)年:三井美唄炭鉱 採炭開始(1973年閉山)
大正9(1920)年:三菱芦別炭鉱 採炭開始(1933年休止)
昭和18(1943)年:三井芦別炭鉱 採炭開始(1992年閉山)

まさに開発ラッシュ。日本の近代化(重工業化)に欠かせない石炭産業の
重要性に着目した財閥が、北海道各地を手広く開発していったことが
伝わる年表です

身近なところでは、皆さんご存知の「三井グリーンランド」
(現:北海道グリーンランド)。
炭鉱開発を担った三井鉱山傘下の企業が遊園地開発を手掛けたため、三井の名前が
入っていました。炭鉱事業で縁深い土地ということで、当初は美唄地域で開業する
予定だったようです。

ドラマでは大倉喜八郎も顔を出していましたね。この方は旭川と深い縁のある方ですが、
この話はまたの機会に。。

空知には、上に挙げた炭鉱の産業遺産が数多く残っています。
根雪になる前に、財閥の息吹を感じる(?)小旅行はいかがでしょうか。

ひらさわ

※写真【旧三菱美唄炭鉱立坑巻上櫓(炭鉱メモリアル森林公園)】

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