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さまよえる神剣(けん)

2024年08月28日

 「さまよえる神剣(けん)」は、玉岡かおるの歴史小説です。

 皆さんは、三種の神器をご存知でしょうか?皇位の象徴として、歴代の天皇が継承する三種の宝物で、八咫鏡(やたのかがみ)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)・草薙剣(くさなぎのつるぎ)を言います。その内、草薙剣は、平家が滅んだ壇ノ浦の戦いで8歳の安徳天皇とともに海中に没したと「吾妻鏡」や「平家物語」には書かれています。以後、数十年、宮中に草薙剣がない時期が続きますが、当時、一部では安徳天皇はこの剣とともに壇ノ浦から四国の山中に落ち延びたと噂されていました。

 この小説では、西面(さいめん)の武士(天皇を警護する武士)の小楯(おだて)有綱と刀匠の伊織、少女の巫女(みこ)の奈岐(なぎ)が、不思議な縁でこの失われた剣を探すことになります。京よりはるか遠く四国の険しい山中を旅し、様々な人達や出来事に遭遇して、最後に三人は土佐の山奥で天皇の御陵(墓)を守り続けているという人達の村に行き着きます。村には行在所(あんざいしょ)(天皇の宿泊所)の跡があり、村長の家の神棚には宮中でしか使われない器が置かれてあって、いよいよ、三人はここが安徳天皇の最期の地ではないかと確信し始めていきます。ところが、三人がその御陵を訪れたとき、誰も想像しなかった結末が待っていたのでした。安徳天皇は本当にこの地にやって来たのか?そして草薙剣の行方は…?

 この小説は、高知県仁淀川町の実際の伝承をベースに書かれており、歴史のロマンを感じさせる作品だと思いました。

 ふたば税理士法人 T.M.

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