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アルジャーノンに花束を

2025年02月04日

「アルジャーノンに花束を」は、アメリカの作家ダニエル・キイスの小説です。だいぶ前になりますが、テレビドラマにもなったので、題名だけでもご存知の方は多いかもしれません。

アルジャーノンは実験用の白ネズミの名前ですが、ビークマン大学ではこのネズミの脳に特別な手術をして、知能を飛躍的に上昇させることに成功します。この成功を人間にも応用すべく選ばれたのが、この大学の知的障害成人センターに通うチャーリー・ゴードンというIQが65の青年でした。手術を受けて数ヵ月でチャーリーの知能は急激に上昇します。知識欲が猛然と起こり、あらゆる分野の専門書の1ページを1秒で読み進む姿に周りの人間は驚愕します。IQが65から185(一般の人は100くらいだそうです)に達すると、自分を手術してくれた教授達すら凡人に見えてしまいます。また、知的障害成人センターでチャーリーを教えてくれていた女性の先生が、美しく魅力的であることに気がつきます。それが恋愛感情だということは理解するのですが、それから先、どうすればいいのかがわかりません。情緒の成長が知能の発達に追いつかないのです。また、今まで周りにいた真面目で優しかった人が、実はずるくて悪意を持っていることもわかってきます。チャーリーは日々新しい事を経験しながら変わっていきます。その一方で、チャーリーを手術した大学の教授達はこの成功を世界に発表しようとしまが、チャーリーも自ら自分に起こったことを「チャーリー・ゴードン効果」という論文にまとめます。この研究は、世界の知的障害者の人達にものすごい朗報になるはずでした。ところがある日、白ネズミのアルジャーノンに変化が現れます。今まで難なく通過していた実験用の迷路をうまく進めなくなったのです。意味不明な行動も多くなり、時にわけもなく攻撃的になったりします。それからもどんどん知能が後退していくようになっていきました。チャーリーは、自分にも同じことが起こることを覚悟します。この後、どうなったか興味がある方は、ぜひ、この本を読んでみて下さい。IQが185になるとどんな世界が見えてくるのか?今までわからなかったことが霧が晴れるようにわかるようになるのか?何より、幸福を得ることができるのか?逆に、もし、知能がだんだんと低下していくと(これは認知症などで、自分にもあり得ることですが)、自分に開かれていた世界がどんどん扉を閉ざして、目の前は暗く霧がかかったような世界になるのか?手のひらから砂がこぼれれ落ちるように自分の学んだことが無くなっていくのは、どれほどの恐怖か?そこに希望は全くないのだろうか?そんなことを考えながらこの本を読みました。

 

ふたば税理士法人 T.M.

 

 

 

 

 

 

 

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