変わる相続税・贈与税
2022年12月19日
先週金曜日16日に税制改正の大綱が発表されました。
私が携わっている相続の分野でも多少の改定がありました。
そのひとつ、亡くなる前3年間の加算制度が7年に引き延ばされました。
亡くなる前3年間に受け取った贈与は相続税の対象するという従来の制度は、
駆け込み贈与を防ぐためにあったもので、早い段階から次世代への移転を促進
してきましたが、今後この制度を使って相続税対策をしようとするなら、
さらに早い段階からの子供への現預金の移転が必要になります。
自助が求められる長寿社会時代に突入したこれからは、
相続税対策だからと子どもや孫に贈与してしまって、
自分の将来生活を守れなくなったら本末転倒。
これから慎重になる方も増えるでしょうね。
ふたつめに、「相続時精算課税制度に110万円の非課税枠」が新設されました。
従来、相続時精算課税制度を利用した場合に、利用したその年からする贈与は、
たとえ少額でも毎年申告しなければならないというデメリットがありましたが、
110万円までなら申告不要、しかも非課税というのは喜ばしいですね。
これも早い時期の資産移転をうながすものですが、
オーナー企業の後継者や不動産オーナーの後継者へ大きな資産移転を考えなくては
ならない家族にとっては使い勝手がよくなるでしょうね。
同日、別の紙面で悪質な申告漏れの記事が載っていました。
洗濯機の下や床下に隠した夫の現金、家族名義の通帳を申告しなかったことで
重加算税のペナルティが課せられたという記事です。
「マルサの女」のテーマ曲が頭のなかで流れてきました。
チャンスがあるなら、一度マルサの女になってみたいです(無理ですが笑)。
やす