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始まりの木

2024年03月11日

「始まりの木」は、かつてテレビドラマにもなった「神様のカルテ」を書いた医師でもある夏川草介の小説です。

主人公は、東京のある大学で民俗学を専攻する大学院生の藤崎千佳とその指導教官の古屋神寺郎准教授です。「藤崎、旅の準備をしたまえ」でいつも唐突に始まるフィールドワークで二人は日本全国を旅します。古屋准教授はその毒舌と歯に衣着せぬ言動から、学会や学生から異端視されていて、藤崎千佳もほとほと手を焼くことになります。古屋准教授は何よりもフィールドワークを大切にしていて、このフィールドワークでは、不思議な出来事に遭遇したり、多くの新しい発見をします。その中で、古屋准教授のワンポイント講義のようなものがあり、情景の描写も美しく、あたかも彼らと一緒に旅をしているような気にさせられます。「民俗学」と言えば、難しい感じもしますが、古屋准教授ならこう言いそうです。「理屈はいい。旅の準備をしたまえ」と。

続編を書いてもらいたいなあと思う一冊です。

ふたば税理士法人 T.M.

 

 

 

 

 

 

 

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