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復興特別所得税のゆくえ

2022年10月06日

東日本大震災が発災した2011年から2020年までの復興創生期間である10年間で、
約32兆円が復興予算として投入されました。そのうち、約12兆円を占めるのが
「復興増税」分です。多くの人の身近なところでは、2037年(平成49年、令和19年)
まで徴収される「復興特別所得税」が含まれています。

復興予算の多くを占めたのが、災害公営住宅の建設・高台移転・土地のかさ上げ
・防潮堤の整備等に対する事業費です。約14兆円近くが投入され、割合からいえば
「復興増税」分のすべてが被災者の方々の生活再建に充てられたことになります。

「復興増税」分の税金はどのように被災地域の復興を助けたのか―。

今年、縁があって「復興」の現状を見る機会がありました。

写真は、岩手県陸前高田市の防潮堤です。
防潮堤は高さ12.5メートル、全長約2キロ。事業費は約300億円です。
11.5メートルの津波から街を守る堅牢な建造物で、防潮堤の前に立つと、
人の目線からでは全く海は見えません。
某マンガの壁を連想させるような巨大な造りです。

防潮堤のすぐ内側には「東日本大震災津波伝承館」「道の駅高田松原」という
2つの大きな建物があり、広大な復興祈念公園(奇跡の一本松)があります。

一見すると「賑わい創生」なのですが、この建物の周囲に人の暮らしはまったくありませんでした。

写真の奥から、防潮堤/伝承館・道の駅/旧市街地です。

 

みなさんは、この風景をどう考えるでしょうか。

「復興予算」が被災者の方々を支えたことは間違いないことですが、
復興事業が本当に地域の要望に沿ったものだったのか。10年たった今、様々な
検証が始まっています。今後も負担が続く「復興特別所得税」がどう使われたのか
これからも注視していこうと考えています。

ヒラサワ

<参考記事>
「NHK 政治マガジン 復興予算32兆円はどう使われた?」2021年2月25日付
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/54486.html

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