旭川の歴史的建物の保存を考える会
2023年07月12日
「旭川の歴史的建物の保存を考える会」という市民団体があり、毎年、市内および近郊市町にある地域の歴史を伝える建物を表彰しています。有名なところでは旧偕行社・現旭川市役所・旧岡田邸などで、建物にはひっそりと表彰銘板が設置されています。昨年は「旧旭川青少年科学館」(世代によっては川のおもしろ館)が表彰されていました。
市内には、選外の建物でも地域の歴史を伝える意味で重要な建物がいくつかあり、そのひとつに「市場建造物」があります。15丁目の「第一市場」は最たるものですが、かつて市内に30ほどあった市場で現存する建物が7つほどあります。
そのうちのひとつ「八條市場」がそろそろ取り壊されるらしいという話を聞き、撮影してきました。
市役所の裏手、消防署とコンビニに挟まれた場所にあるこの建物を、なんとなく見たことがある方もいるでしょうか。
降雪期でも買い物がしやすいように工夫された構造は北国独特のもので、天井に明かり取りを設けて自然光を建物内に取り入れる工夫は教会建築にも通じるところがあり、かつて会をまとめていた東海大学の川島先生も「なんとかして残したい」と著書で触れています。
現存している市場建物でこの構造を持つのは八條と第一の2つだけなので、惜しまれるところです。
15丁目界隈も再開発の動きがあるとかないとか。
幼い頃お正月は銀座通りの第一市場で買い物をするのが好きだった最後の世代にとっては、旭川の商人パワーが凝縮されたような建物がまたひとつなくなることに寂しさを覚えます。
ヒラサワ