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旭川近郊でひと息つける、おすすめスポット

2021年06月18日

子供の頃『赤毛のアン』シリーズが好きで、よく読んでいました。
どういうところが好ましかったのかはもう思い出せませんが、そういう
子供時代でしたので、芦別にあった「カナディアンワールド」を何度も
訪れていました。

「カナディアンワールド」は『赤毛のアン』の世界をそのまま再現した
テーマパークで、アンやダイアナに扮した欧米人のスタッフが来訪者を
出迎えるというなかなかに凝った施設でしたが、当初から採算が合わず
開園から10年に満たないうちにテーマパークは閉鎖されました。

52億もの巨額な資金が投じられた、まさにバブルの産物だったわけですが、
そのような施設が芦別市に作られたのには理由があります。

芦別市は、石炭産業で発展した街です。最盛期には三菱・三井・油谷・高根・明治の
「芦別五山」といわれる炭鉱があり、市の人口は4万人近くになっていました。
しかし、燃料が石炭から石油にシフトするなかで炭鉱は次々に閉山し、平成4年に
最後まで残っていた三井が閉山すると、芦別から炭鉱は消えてしまいます。
人口は減り続け、現在では1.5万人近くにまで落ち込んでいます。

当時石炭産業に変わる地域振興策として推進されたのが、観光産業でした。
カナディアンワールドの敷地では、もともと石炭の露天掘りが行われていました。
実際に訪れるとわかりますが、公園敷地はすり鉢状の地形になっており、これが
露天掘りの名残となっています。また、注意して園内を歩くと、そこかしこに
炭鉱の遺構が残っていたりします。

現在、テーマパーク跡地は市営公園を経て、民間の任意団体によって「カナディアンワールド公園」として無料開放されています。

多くの施設は空家になっていますが、アンの家は当時のまま、建物内部も見学が可能です。このアンの家は、物語の実際の舞台になったカナダに建てられていたアンの家が失火によって全焼した際に、復元の資料として参考にされた程、実物を忠実に再現しています。

なにか記念品を買える、というわけではありませんが、とても静かで心が休まる
場所です。こういった時世ですので、人混みをさけて異国情緒を感じるのにオススメの
場所だと思い紹介させていただきました。

ひらさわ

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