牡丹灯篭
2023年11月16日
夜の公演も含めて、三日連続の道新寄席の「牡丹灯篭」を聴きに行って来ました。
「牡丹灯篭」といえば怪談ですが、落語なのでそれほど怖ろしいというものではなく、かと言って、お笑いという風でもなく、古い話を今そこに登場人物がいるかのように語っていて、怪談を落語で聴くのも面白いなあと思いました。
語り手は、江戸落語ではチケットがなかなか手に入らないくらいの人気落語家の立川談春と柳家三三です。この二人が一つの話を交代でリレーのように繋いで語っていくという独特の手法をとっていました。
あらすじは大体知っている方が多いと思いますが、江戸時代、新三郎という侍を好きになったお露(つゆ)という旗本の娘が、病で死んだ後も幽霊となって新三郎に会いに来るのですが、相手が幽霊だと知らない新三郎は、逢瀬を重ねるうちにどんどんやつれていってしまいます。それを見た縁者がお寺の住職に相談して、幽霊除けのお札を新三郎の住まいの出入口になりそうな所全部に貼っていき、お露は新三郎に近づくことができなくなります。お露は女中のお米を通して新三郎の隣に住んでいる伴蔵にお札をはがすよう頼みますが、この伴蔵の妻のお峰が100両くれたらお札をはがしてもいいとお露にもちかけます。次の日、約束どおり100両を受け取った伴蔵夫婦はお札をはがし、新三郎はとうとう命を失ってしまうというお話です。
これまでが普通に知られている「牡丹灯篭」ですが、幽霊から100両をもらった伴蔵夫婦は遠く離れた土地で商売を始め、それが大変繁盛して大店になってゆくのですが、彼らの悪事はなかなかそのままでは終わらない、という具合に話は進んでゆきます。
続きはいつかの機会にしようと思いますが、こういうふうに続きがあるということも今回落語を聴きにいって初めて知ることができて、そういう点でも楽しいなあと思いました。
T.M