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生きとし生けるもの

2024年07月01日

「生きとし生けるもの」は、北川悦吏子の小説です。

 人気作家だった成瀬は、末期の肝臓がんで余命宣告を受けます。毎日のように襲ってくる激しい痛みと戦いながらつらい治療に心が折れそうになっていきます。一方、成瀬を診ている医師の佐倉は、かつて、天才と言われた外科医でしたが、高校の恩師の手術でミスを犯し、望まなかった内科へ移り、終末医療に関わっています。自信を失った佐倉は妻に離婚され、子供も離れていってしまいます。そんな佐倉に成瀬は、自分を殺してくれと頼みます。成瀬は死ぬ前に自分の過去をめぐる旅をしたいと望み、外科医として自信を失ったものの、「命というより、その人の人生を救いたい。」という信念を失っていない佐倉は、成瀬とともに、人生最後の旅へと向かうことになります。

 患者の視点、医師の視点の両方が描かれていて、よかったと思います。

 この小説はテレビドラマになり、小説家・成瀬を渡辺謙(この役作りのために7キロの減量をしたそうです)、医師・佐倉を妻夫木聡で、今年5月に放映されたのですが、観られなかったのが残念でした。

ふたば税理士法人 T.M.

 

 

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