窓ガラス衝突事件

2018年08月21日

お盆休みが間もなく始まろうとしていたある日の昼下がり、

事務所の私の席のすぐそばの窓ガラスの外側で、

「ごつっ」

という鈍い衝突音がしました。

「なんか音がしたよね？」　と、

近くの席にいた いきものがかりさんが聞いてきました。

窓を見ると、

外側の上の方に、

鳥の羽毛らしきものが付いています。

「どうやら鳥が窓ガラスにぶつかったらしい」

私は答えました。

「下に落ちたのかな？」

二人で窓に寄り、地面の方を見ましたが、

ここは二階。よく見えません。

しばらくして、

外に見に行った いきものがかりさんが戻ってきました。

「下に落ちてた！二羽いたよ」

行ってみると、たしかに二羽いました。

でも一羽は仰向けにひっくり返っていて、

ぴくりとも動きません。

すでに死んでいたのです。

もう一羽は、塀の陰で、小刻みに震えていました。

野鳥は警戒心が強いから人が近づけばすぐ逃げるものなのに、

この鳥は逃げようとしません。

「ぶつかったショックで動けないのかもね」　と、

いきものがかりさん。

きれいな緑色の小鳥です。

死んだ方は

「可哀想だから埋めてあげる」 と、

いきものがかりさんが、すぐそばの庭に

埋めてくれました。

南無阿弥陀仏。

さて、この小鳥はなんていうのだろう？

スマホで撮った写真を見比べながら、

ネットで調べてみると、

なんだかウグイスに似ています。

「判った！ムシクイだ！」 と、

いきものがかりさん。

どうやらエゾムシクイという種のようです。

ウグイスの近縁ということで、納得。

震えていたもう一羽は、

しばらくしたら飛んで行ったようです。

つがいだったとしたら、

これから独りで生きていくんだろうか…

行末が気になるところです。

(渡）

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