所員ブログ

道内小旅行のススメ~タウシュベツ川橋梁

2022年06月22日

GWに、念願だった「タウシュベツ川橋梁見学ツアー」に参加しました。

「タウシュベツ川橋梁」は、旧国鉄士幌線(昭和62年廃線)がタウシュベツ川を越えるために架けられたコンクリート製アーチ橋です。現在は糠平湖の真ん中に存在しており、糠平湖(糠平ダム)の満水期には完全に水没しますが、積雪期・雪解け後の渇水期には湖底を歩き間近でその全貌を見ることができます。個人での見学が不可のため、NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターが実施しているツアーに参加の上で見学する必要があります。

集合場所ではツアー代金を支払い、ダム底を流れる川を渡河するための長靴をお借りします。そして数台のワゴン車に分乗して目的地に向かいます。車中ガイドの方が士幌線の歴史について簡単に説明してくれますので、予備知識があまりなくても楽しめる仕様です。

林道に入り約10分ほど走り、開けた場所で車を止めて廃線跡を5分ほど歩くと橋に着きます。見学時の注意事項について説明を受けたあと、1時間弱自由に見学することができました。

道内に残る様々な産業遺構を見てきましたが、ここの風景には圧倒されました。
必要(士幌線の場合は木材需要)があるから線路を通すわけですが、今のように重機が十分ではない時代に、よくこのような場所(秘境)を切り拓いたなと、先人の逞しさには感嘆するばかりです。

糠平ダム(湖)の建設が決まったことで、タウシュベツ川橋梁は竣工(昭和12年)から約20年で使用されなくなり、それ以来ダム湖の水に晒され続けているため損傷が激しいです。外側のコンクリートはすべて剥がれ落ち、内部の石や礫が見えています。しかし、湖底ということもあり、修繕や保存措置はせずに経年劣化に任せた維持管理がされています。そのため、現在はアーチがかろうじて繋がっていますが数年後には、数カ所が崩落してしまうだろうとのことでした。

興味が湧いた方は、アーチが保たれているうちに訪れることをオススメします。旭川からは約2時間ほどで行くことができますし、帰りは糠平温泉郷で日帰り温泉に入るのも一興です。

ひらさわ

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