映画雑感 vol.116
2025年01月10日
録画しておいた「八甲田山」を観ました。48年も前の映画ですが(1977年公開)、たまたまこの映画の原作になった小説を年末に読んで、そういえば録画したまま観てなかったな・・と思って観ました。私の年代の方々なら「八甲田山」と聞けば、「ああ、あの遭難事故ね」とほとんどの方が知ってると思いますが、若い方は知らないかもしれませんね。
日露戦争まであと2年というタイミングの1902年(明治35年)に、ロシアとの戦争を見据えて積雪の厳寒地帯での訓練と調査を兼ねて、旧日本陸軍の師団が冬の青森の八甲田山で雪中行軍の訓練を行ったんですが、210人のうち199人が死亡(ほとんどが凍死)するという実際に起きた世界最大の山岳遭難事故を題材にした映画です。なので、細部はともかく基本的には事実に基づいた映画です。出演は高倉健さん、北大路欣也さん、加山雄三さん、丹波哲郎さん、三國連太郎さん、栗原小巻さん、加賀まりこさんなどなど、錚々たる顔ぶれの大作です。北大路欣也さんの「天は我々を見放した」という有名なセリフも、モデルとなった実際の士官(もちろん死亡)が本当に発言したと言われてます。ちなみに、この雪中行軍が行われていたまさに同じタイミングに、旭川では国内最低気温のマイナス41℃が記録されたそうです・・・
映画や原作小説では「白い地獄」とか、「雪地獄」なんて言葉も使われてますけど、雪国に住む人にとっての雪はまったくそのとおりで、観光客の方々が言う「雪キレイ♡」なんてことは全然思えなくて(私だけじゃないですよね?)、雪は本当に怖いんです・・・ 私は昔から「白い悪魔」と呼んでましたけどね。
映画は本当に悲惨な話で、事実だと知ってるからなおさらなんですけど、もし観てなければぜひどうぞ。