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映画雑感 vol.119

2025年02月14日

前回に続き、キタノ映画をもう1本取り上げましょう。1993年に公開された北野武監督の4作目となる「ソナチネ」です。たけしさん演じる暴力団組長が、他組織と抗争している友好組織の助っ人として組員とともに沖縄へ行く、というストーリーです。キタノ映画のヤクザものですから、やはりバイオレンスは若干キツメですけど、キタノ映画が世界的に注目されるきっかけとなった映画だそうで、1994年のロンドン映画祭やカンヌ映画祭で反響をよび、イギリスBBCからは「21世紀に残したい映画100本」のひとつに選出され、「キタニスト」と呼ばれるキタノ映画のファンを世界中に生み出したとも言われてます。

舞台となった沖縄の青い海など青を基調としたビジュアルも話題になって「キタノブルー」という言葉も生まれ、共演者も寺島進さん、大杉漣さん、勝村政信さんなど実力派がそろった映画です。が、5億円と言われる制作費に対して日本国内の当初の興行収入はたったの8,000万円とまったくヒットしなかったそうです。ところが、世界から評価されるようになってこの作品も日本で再注目されると、キタノ作品の最高傑作なんて言われるようになったそうですよ。

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