いっそ、そのまま輸入販売を認めたら?
2025年07月01日
日本の担当大臣が毎週のようにアメリカへ通って特に自動車の関税を中心に交渉をしている最中ですが、交渉はなかなか進展しないようです。それというのも、日本でアメリカの車(以下、アメ車)が売れないのは日本が設定している非関税障壁(関税以外の障壁)のせいだ、という強硬な姿勢をトランプさんが譲らないからです(日本がアメ車を含む輸入車に関税をかけてないことはご理解いただいたようです)。
その非関税障壁の代表的なものは自動車の安全基準だそうですが、アメリカの国内向け基準で作られた車はそのままでは日本で販売できず、日本の安全基準に適合した改造を施さなければならないのは事実だそうです。ただ、この「日本の安全基準」というのは、ヨーロッパ各国や韓国、タイ、オーストラリアなど61の国が採用するグローバルな基準で、これらの国々の車はなんの障壁もなく日本で販売できてますから、独自の基準で作られてるアメリカに合わせろ、というのはいかにも無理な要求です。とはいえ、相手はジャイアン(ドラえもんの)、じゃなかったトランプさんですから、そういう理論が通じるとは限りません。
なのでいっそのこと、そのまんまアメ車の販売を認めたらどうなのか、なんて思ってしまうんですが、どうなんでしょう? 最終的にアメ車を買うかどうかを決めるのは日本の消費者ですから、それで売れないならそれはもう非関税障壁のせいじゃない、ということを言えるようになると思うんですけど。で、私個人的には、それをやったとしてもアメ車の販売台数が劇的に増えるとは思えないんですよね。日本では昨年、ドイツの主要メーカーの車が合わせて14万台以上売れたそうですが、現時点でもドイツ車より価格的にはずっと安いアメ車が1万台ぐらいしか売れてなかったそうですから、日本でアメ車が売れないのは非関税障壁のせいじゃなく、アメ車を欲しいと思う日本人が少ないからなんですよね。たぶん、トランプさん以外の多くの人が気づいてるとは思いますけど。