映画雑感 vol.136
2026年02月27日
今回は「許されざる者」を取り上げましょう。実はこのタイトルの映画は私が知ってるだけでも3つあります。1つは、1960年に公開されたオードリー・ヘップバーンが出演したアメリカ西部開拓時代を舞台にしたものですが(いわゆる西部劇ではありませんが)、私はこれは観たことがありません。そしてもう1つがクリント・イーストウッドが監督と主演をつとめて1993年のアカデミー賞で作品賞や監督賞を受賞した西部劇(1992年公開)、最後の1つがこのイーストウッドの「許されざる者」を明治初期の日本を舞台にリメイクした2013年の映画ですが、今回取り上げるのは、まずはイーストウッドの映画です。日本を舞台にリメイクした渡辺謙主演の2013年版は次回の映画雑感で取り上げます。
かつて多くの人を殺した極悪人だったガンマン(イーストウッド)がアメリカの原住民の女性と結婚したことを機にまっとうな人間として暮らしていたんですが、その妻亡きあと、2人の子供を抱えて極貧の生活をする中、賞金がかかった男たちをお金のために殺しに行くというストーリーです。アメリカの西部劇といえば、正義のガンマンが悪党たちを懲らしめるという勧善懲悪が定番だったそうですが、この映画はそうした西部劇の「常識」を真っ向から否定するすごく重厚なドラマです。主人公のイーストウッド、町を守る保安官(ジーン・ハックマン=この映画で助演男優賞受賞)、娼婦に傷を負わせる男、そしてその男に賞金をかける娼婦たち、娼婦たちをモノのように扱う酒場の主人など、映画タイトルの「許されざる者」がいったい誰のことを指しているのかはすごく意味深です。イーストウッドが監督する映画は名作が多くて、これもアカデミー賞の作品賞を受賞してるので名作であることは間違いないんですが、映画評論家の中にはこれがイーストウッドの最高傑作だと言う人もいるぐらいです。私はイーストウッドといえばダーティ・ハリーが一番好きですけど、この「許されざる者」はたしかに名作ですよ。


