いたちごっこ
2021年03月17日
昨日、お付き合いのある保険代理店の方から、
低解約返戻金型の保険を利用した資産移転スキームについて
国税庁が課税方法の見直しを検討しているらしい
というお知らせをいただきました。
そして今朝の新聞にも同様の記事が出てました。
これは、
保険を契約してから最初の数年間は
保険解約時の解約返戻金がかなり低い水準で推移する生命保険を使って
当初は会社で契約して数年間は会社で保険料を払い(保険料は高額)、
保険解約時の解約返戻金が高い金額に跳ね上がる直前に
社長個人が安い解約返戻金相当額で会社からこの保険を購入して個人に名義を変え、
その後、保険を解約して高額に跳ね上がった解約返戻金を個人で受け取る
という使われ方をしていました。
これによって社長個人は、
かなり割安な負担金額のみで高額な解約返戻金を受け取ることができる
という、いわば、会社から個人への資産の移転が行われていたわけですが、
国税庁は今後、こういうことをできなくするつもりのようです。
まあ、前々からこのスキームについては危ない、と言われてましたから、
とうとうきたか、という感じではあります。
困るのは、2019年以降に契約したものから対象にする見通しとのことですから、
2年前に、3年後ないし5年後に社長個人に名義を変更するつもりで加入していた契約
も対象になっちゃいそうだということです。
生命保険を使った節税スキームについては、
法律の網をくぐった節税商品を作ろうとする保険会社と
それを防ごうとする国税とのいたちごっこが続いてきましたが、
これでまたひとつ、穴が塞がれることになります。
数年前に行われた改正と今回の検討内容で、
節税保険と呼ばれるものは、
これによって現時点でほとんど姿を消すことになりそうです。