またもやこの類か
2022年06月02日
アラブ首長国連邦のドバイに本店を置く日本のコンサル会社が
(もう、この時点で怪しい・・・)
法人税の脱税を指南したとして、この会社の役員など3人が逮捕されました。
新聞記事に出てた「手口」の内容は、
税金を免れたい会社(加担者)がこのコンサル会社にコンサル報酬を支払い、
その分だけ利益を圧縮して法人税を安くするというものでした。
もちろん、
このコンサル報酬が実態を伴うもので、
金額が妥当であればなんら問題はないんですが、
コンサル会社は受け取った報酬から手数料を差し引いて、
支払い元の会社にお金をバックしていたもんですから問題になりました。
バックする際の会計処理は貸付金だそうです。
なので、支払った報酬を仮に1,000、手数料を100として
これを簿記の仕訳であらわすと、
<加担者側>
1. (借)支払報酬 1,000 (貸)現預金 1,000
2. (借)現預金 1,000 (貸)借入金 1,000
3. (借)支払手数料 100 (貸)現預金 100
<コンサル会社側>
4. (借)現預金 1,000 (貸)売上? 1,000
5. (借)貸付金 1,000 (貸)現預金 1,000
6. (借)現預金 100 (貸)売上 100
と、新聞記事によればこういうことになりますが、
これだと、加担者側は1と2の処理によって現預金は減ってないのに
「1,000×税率」分だけ節税になる一方、
コンサル会社側は4の処理で売上がたってしまい課税されますので
このコンサル会社はひょっとしたら利益が出ても課税されないよう、
過去からの欠損金を持ってたのかもしれませんね。
あるいはもともと欠損金を持ってた会社を買収したか。
また、これによって加担者側に残る借入金と、コンサル会社側に残る貸付金
をその後どうするつもりだったのか新聞記事からはわかりませんでした。
ニュースによれば、この手口で合わせて50億円もの脱税をさせていた
とのことですが、逮捕された男は「何が悪いんだ」と開き直ってるそうで・・・
同じ相手先に対して支払報酬のような経費と借入金が同時に計上されてれば
専門家が見れば誰でも怪しいと思いますけどね。