見解の相違で370億円
2023年01月25日
ソフトバンクグループが受けた東京国税局による税務調査で、370億円の申告漏れがあった、というニュースが出てました。
グループ企業を合併した際にかかった支出を費用として処理していたところ、それは費用ではなく資産だ、という指摘を受けたためのようです。この手の指摘は土地や建物といった不動産を取得する際にも同様の「論点」があるんですが、不動産の取得は大企業のみならず中小企業も含めて広く一般的に行われている取引なので、どれが費用でどれが資産か、というのは比較的整理されていると思うんですが、合併などM&Aは不動産取引ほど一般的ではありませんから、関連支出が費用になるか資産になるかは、まだまだ見解の相違がありそうです。
ソフトバンクは「見解の相違によるもので重加算税の対象となる修正はありません」とコメントしたそうですが、新聞の見出しに「◯◯億円の申告漏れ」なんて書かれると、一般の方がみると「脱税かな?」と誤解されることがあるかもしれません。ダメだとわかってるのに意図的に書類や帳簿などを改ざんすると、その名の通り、負担の重い重加算税が課せられたり、金額の大きさや悪質性によっては関係者の逮捕なんてこともあるのが「脱税」ですが、今回はもちろんそうではなく単なる見解の相違です、というのがソフトバンク側のコメントの意図です。
で、税務の実務ではこの「見解の相違」が多いんですよね。