映画雑感 vol.77
2023年02月10日
今回は、日本では2003年に公開された「ボーン・アイデンティティ」と「ボーン・スプレマシー」、「ボーン・アルティメイタム」のいわゆる「ボーン」3部作を取り上げましょう。
私はこれを劇場公開終了後にレンタルビデオだったか、テレビの有料放送だったかで観たんですが、衝撃的な面白さでしたね。マット・デイモンが演じる主人公のジェイソン・ボーンは工作員なので、ジャンルとしてはスパイものに分類されるのかもしれませんが、「007」や「ミッション・インポッシブル」よりもリアルで、格闘シーンも生々しく(といっても血がいっぱい飛ぶR指定映画ではありません)、大作や長く続くシリーズものではないスパイ映画でこんな面白い映画があったんだ、とびっくりしたのを覚えてます。そのリアルさを支えてるひとつの理由がハンディカメラを使ったというドキュメンタリーのような映像で、この映画が公開されたあと、スパイ映画の大先輩である007シリーズが、アクションシーンでこの映画を真似した思われるシーンもあったんだとか。
ボーン・シリーズは実はこの3部作の後にも別の役者さん(ジェレミー・レナー)による別の主人公をすえたスピンオフ的な「ボーン・レガシー」と、ふたたびマット・デイモン演じるジェイソン・ボーンを主人公にした3部作の続編である「ジェイソン・ボーン」という映画もあるんですが、おすすめなのは最初の3部作です。もちろん、その後の2作もこれだけで考えれば面白い映画だと思うんですけど、最初の3部作が出来過ぎだったかもしれません。
もしこのシリーズを観てないのであれば、おすすめの映画ですよ。ジェイソン・ボーンと暗殺者たちとの死闘の中で、「そこまで先を読んでたかー!」と思わず感嘆の声が出るようなシーンをぜひ楽しんでください。