映画雑感 vol.85
2023年06月16日
今回の映画雑感も日本映画を取りあげましょう。1999年に公開された「鉄道員(ぽっぽや)」です。浅田次郎さんが直木賞を受賞した短編小説を映画化したもので、定年間近の鉄道員を演じた高倉健さんが主演、そして大竹しのぶさん、広末涼子さん、吉岡秀隆さん、小林稔侍さんといった俳優さんたちに交じって、なんと志村けんさんも出演してます。志村さんの映画出演作としてはこれが唯一の作品なんだとか。ただそれは決して演技の評価が低かったわけではなく、この映画の次に別の映画主演作が決まっていたのに亡くなってしまったからです。
一人娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた
というのが映画の宣伝文句の一つですが、もう、これだけでなんだかほろっときそうな感じですが、実際、良い映画でした。前回の「いま、会いにゆきます」と同じく若干のファンタジー要素が入ってますが、なにしろ高倉健さんですから、そりゃ、何をやったって駄作にはなりません。というと高倉健さん頼みの映画のように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。2000年の第23回日本アカデミー賞では、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀主演女優賞(大竹しのぶさん)、最優秀助演男優賞(小林稔侍さん)、最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀録音賞、そして最優秀主演男優賞(高倉健さん)と、文字通り、この年の日本アカデミー賞を総なめにした名作です。
有名な映画ですが、もし観てないならおすすめですよ。