賃上げしても賃上げ促進税制が使えないとは
2024年05月01日
先日、大手自動車メーカーの日産が、いわゆる賃上げ促進税制の適用が認められなくなった、というニュースが出てました。
賃上げ促進税制というのは、従業員の給与をアップするなど一定の要件を満たすと、会社の利益にかかる法人税を安くしてくれる、という制度なんですが、大企業については「パートナーシップ構築宣言」なるものを公表していることもこの税制の適用要件のひとつとなってます(一般の中小企業は不要です)。で、この宣言の中には、下請企業との望ましい取引慣行の遵守という項目があって、部品を製造する下請企業へ不当な減額要請をしたとして公正取引委員会の是正勧告を受けた日産はこの宣言に抵触することになり、賃上げ促進税制も使えなくなった、ということのようです。
大企業を中心に従業員の賃上げが相次いでいる中、この賃上げ促進税制を使う会社は多いと思うんですが、こうした形でこの優遇税制が使えなくなったというのはかなり珍しいと思います。そもそも税法(とその関連法規など)とは関係のない下請法の遵守が優遇税制の適用要件になってることも、なんとなく今の時代感なのかなと思いましたけど。