ふたば便り

中小企業倒産防止共済と中小企業退職金共済

2015年12月号 Vol.160 今月は、中小企業倒産防止共済と中小企業退職金共済について説明します。先月お伝えした小規模企業共済と同様、加入しておくことでリスクの軽減や税務上のメリットを享受できますので積極的に検討することをおすすめします。  
  • 中小企業倒産防止共済(倒産防)

(1)概要

中小企業倒産防止共済は、取引先の倒産時に最高8,000万円の融資を受けられる制度です。掛金の10倍の範囲内で(最高8,000万円)で回収困難な売掛債権等の金額以内の融資を受けることができます。 加入資格は、1年以上継続して事業を行っている中小企業者で一定の条件(※)に該当する方です。掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲(5,000円刻み)で自由に選べ、掛金総額が800万円になるまで積み立てられます。※業種ごとに資本金と従業員数に上限が定められているほか、国税を滞納していないことが条件です。 くわしくは弊社までお問合せください。

(2)加入メリット

  1. 取引先倒産の場合、掛金累計の10倍まで無担保・無保証で借入できます。
  2. 金融審査がなく、取引先倒産の事実確認で借りられます。
  3. 掛金は法人も個人事業も全額経費にできますので、節税対策にも使えます。
  4. 40ヶ月以上経過後の解約であれば掛金が100%戻ってきます。
 
  • 中小企業退職金共済(中退共)

(1)概要

中小企業退職金共済は、国が管理する退職金制度です。事業主が毎月の掛金を納付すると、従業員が退職したときに中退共からその従業員に直接退職金が支払われます。 加入資格は業種ごとに異なります。また原則、従業員全員を加入させる必要がありますが、有期雇用や試用期間中の従業員など加入させなくてよい従業員もいます。一方、法人の専任役員などは加入できませんし、小規模企業共済制度に加入している人は加入できません。くわしくは弊社までお問合せください。 掛金は、月額5,000円~10,000円まで1,000円刻み、月額12,000円~30,000円まで2,000円刻みです。

(2)加入メリット

  1. 掛金は法人も個人事業も全額経費にできますので、節税対策にも使えます。
  2. 新規加入事業主に対して、掛金月額の2分の1(従業員ごと上限5,000円)を加入後4か月目から1年間、国が助成します。
  3. 18,000円以下の掛金を増額する事業主に対する助成制度があります。

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