ふたば便り

今年1年の経営を振り返る

2016年 12月号(Vol.172) 早いもので、平成28年もあと1か月を残すのみとなりました。来年の税制改正の内容が話題にのぼり始めましたが、このタイミングで今年1年間の業績などを振り返り、来年以後の目標を考えるきっかけとしましょう。  

●ポイント1  売上増減の原因を明確にする

昨年の売上と比べて今年の売上は増えたのか減ったのか、あるいはほぼ変わらなかったのか、その理由は販売数量の増減によるものなのか、販売価格の変化によるものなのか、その理由を考えてみましょう。
  • 一例
  • ・売れ筋商品に変化があった
  • ・主力商品の販売が伸びた、あるいは落ち込んだ
  • ・大口取引が増えた、あるいは減った
  • ・異常気象、クレーム、流行、風評などの特殊な事情の影響があった
  • など

●ポイント2  利益率変化の原因を明確にする

  • 利益率に変動があった場合には売上げと同様、要因別に分析する必要があります。たとえば競合があったために価格を下げたとか、割引販売が増えた、あるいはこれまで自社で行っていた作業を割高な外注に切り替えたといった要因です。
  • 一例
  • ・価格を改定したことによる利益幅の変化
  • ・値引きが増えた
  • ・材料費や燃料費の値上がりによる仕入や製造原価の上昇
  • ・不良品やロスの増減
  • ・外注が増えた、あるいは減った
  •     
  • など

●ポイント3  固定費について

固定費は、人件費や地代家賃、減価償却費、支払利息、その他の経費など、売上の増減にかかわらず発生する費用です。その増加は利益を減少させる要因になります。 なお、たとえば人件費の増加が、残業代の増加などによる1人あたりの生産性の減少が原因であるならば、作業の順番は適切か、無駄な仕事はしていないか、社員の教育は十分か、など、いつも当たり前だった作業や慣習を見直すために職員とコミュニケーションを取るいい機会になる場合もあります。
  • 一例
  • ・不要な設備あるいは休止している設備の維持管理に費用がかかった
  • ・新たな設備を導入した
  • ・人件費が増えた
  • ・電気代等の諸経費が値上がりした
  • ・交際費・広告費・交通費などが増えた
  • など
これらの分析を通して、来期以後の事業計画の作成に役立てましょう。

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