ふたば便り

平成31年度の税制改正大綱

2019年1月号(Vol.197

 昨年12月14日に政府与党は平成31年度税制改正大綱を発表しました。正式に決定するのは3月末の国会通過後になる予定ですが、今回はその一部についてみていきましょう。

 

<所得税>

住宅ローン控除の適用期間延長

 消費税率10%への引上げに伴う対応として、税率引上げ後に取得した住宅について、住宅ローンの残高に応じて所得税を減税する「住宅ローン控除」が、通常10年のところ3年間延長になり13年間受けられるようになります。なおこの特例は、消費税10%が適用される住宅を取得して平成31年10月1日から平成32年12月31日までの間に居住した人が対象となります。

 

<法人税>

中小企業の積極的な設備投資に対する支援

 中小企業の法人税率を軽減する特例や、一定の機械等の設備投資を行った場合に特別償却や税額控除ができる制度(中小企業投資促進税制、中小企業経営強化税制等)について、適用期限が2年間延長されます(平成33年3月31日まで)。

 

<相続税・贈与税>

個人事業者の事業承継に対する支援

 経営者の高齢化が進んでいる個人商店や零細工場等の相次ぐ廃業を回避するため、個人事業主が事業用の一定の資産(土地・建物・機械設備・自動車等)を引き継ぐ際の、相続税・贈与税の納税を全額猶予する制度が創設されます(平成31年1月1日から40年12月31日までの特例措置)。

教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置の見直し

 祖父母や両親から教育資金又は結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置は、贈与を受ける人の合計所得金額が1,000万円超の場合は適用対象外とする等の制限を付けた上で、適用期限が2年間延長されます(平成31年4月1日以後取得分等に適用)。

 

<その他>

子どもの貧困に対応するための個人住民税の非課税措置

 事実婚状態でないことを確認の上で支給される児童扶養手当を受けており、前年の合計所得金額(「給与」ではありません)が135万円以下であるひとり親(未婚の人を含む)は、個人住民税が非課税になります(平成33年度分以後の個人住民税から適用)。

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