西俊輔の「毎日楽しく」

オーバーツーリズムのせいで美しい景色が・・

 北海道の美瑛町といえば、2005年に全国でたった7つの町村からスタートした「日本で最も美しい村」連合の創立メンバーであり(その後「世界の最も美しい村」連合会にも加盟)、色とりどりの畑がパッチワークのように続く丘の風景が美しいと写真集などでも評判になった観光地で、町内にはテレビCMなどでも使われて有名になったケンとメリーの木やマイルドセブンの丘といった多くの観光名所がある、景色がとても美しい町です。旭川からは車で30分程度とすごく近いため、私も雪のない時期には景色を見るためだけに年に何度も美瑛へ行きます(冬は冬で美しいんですけど)。 

 その美瑛町で先月、私にとってはすごくショックな出来事がありました。セブンスターというタバコの観光用パッケージに使われて以来、「セブンスターの木」として有名になった観光名所があるんですが、そのすぐそばにシラカバ並木が立つ景色のすごくキレイな場所があります。もともと撮影スポットとして有名だったこの辺りには、コロナ禍をまたいだここ数年、特に海外からの観光客の増加で、以前に比べると信じられないぐらいたくさんの観光客がつめかけるようになりました。撮影のために車道には人があふれ、車が通りかかっても避ける様子のない人たちも多く、周辺の畑には無断で立ち入って作物にダメージを与えるといった迷惑行為も増えたことから、美瑛町としても周辺を駐車禁止にしたり、警備員を配置したりといった対策を取ってきたんですが、このたび、この美しいシラカバ並木が伐採されてしまいました・・・。毎年この風景を見に行くのを楽しみにしている私にとっては、こんな形でこの美しい風景が無くなってしまったことになんだか納得がいかず、ずっとモヤモヤしています。 

 オーバーツーリズムは今、全国で問題になっていますが、今回は私の身近な場所でもとうとうその影響が出てきてしまいました。特に海外からの観光客の増加は、日本の経済にとってありがたいことは理解しているものの、こうしたことがあると、ありがたみよりも迷惑感のほうを強く感じてしまうのは、私が人として未熟だからなんでしょうけどね・・・。 

(2021年10月撮影のこの写真の左側に写ってる紅葉した木々が、今回伐採されたシラカバ並木です)

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