西俊輔の「毎日楽しく」

投げたものは返ってくる

 アメリカのトランプ政権で、国民から選挙で選ばれた議員さんではない身分のまま重要閣僚としての辣腕を振るうイーロン・マスクさんは、日本円にして数十兆円という資産を持つ世界トップクラスの富豪ですが(タイミングによっては世界一)、その資産の源泉は言うまでもなく、みずから経営する電気自動車メーカーのテスラです。

 ところが、このテスラが最近ピンチと言われてます。ヨーロッパや中国では不買運動が起こって車の販売数は半減し、お膝元のアメリカでも販売数が減っていることに加えてテスラの店舗前ではマスクさんに抗議する大規模デモなども起こり、テスラ社の株価はピーク時に比べて半分以下になったそうです。もともとマスクさんは、地球温暖化対策として世界の化石燃料への依存を減らすと言って電気自動車の魅力を訴えかけ、それが多くの人の賛同を得て今の成功を手にしたわけですけど、それが、地球温暖化はフェイクだと言い、化石燃料を掘って掘って掘りまくれ、と公言するトランプ政権の一員になっちゃったわけですから、多くの人たちが裏切られたと思うのも無理はありません。一部の人たちは、テスラの車や販売店、充電スタンドを破壊、放火したりという過激な行動に出ちゃうもんですから、テスラに乗ってる人の中には、「これはイーロンの頭がおかしくなる前に買った車です」なんてステッカーを貼って自分の車が壊されないよう自衛してる人もいるというから大変です・・・。

 そんな状況ですからテスラの中古車価格は下落し、逆にテスラ車の保険料は高くなっているという記事も出てましたが、ピンチはテスラだけではありません。マスクさんが買収したSNSのX(旧ツイッター)でも接続の不具合や表示遅れなどの障害が発生したことがありましたが、その原因がサイバー攻撃だったとマスクさんは発言していました。

 もちろん、地球温暖化に対する考え方や政治的な信条などは人それぞれですから、それが即、ここまで過激な反発を招くものではないと思います。たぶん、マスクさんの攻撃的な言動にも問題があって、同僚の閣僚たちはもちろん、他国の指導者まで「口撃」したり、他国の内政に干渉するような行き過ぎた(と思われる)発言をXなどでしていることが、世界中から嫌われてしまっている原因のひとつなのかもしれません。

 人間関係では、投げたものは必ず返ってくる、と何かで読んだことがありますが、敵意には敵意が、好意や善意には好意や善意が返ってくるといいますから、私たちも日頃から気をつけないといけませんね。

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