西俊輔の「毎日楽しく」

税金を納めればいいだけの話なんですが

 先日、大阪で複数の病院などを運営する医療法人の元理事長が、高級車の転売で得た利益を税務署に申告していなかったとして、国税当局から指摘を受け、追徴税額を払うことになったというニュースが出てました。申告していなかった利益はなんと5億円(!)、それに対する追徴税額はこれまたなんと3億円(!)、だったそうです。自家用車など、生活に必要な動産を売却して得た利益(利益なので売却額そのものではありません)には通常、所得税はかかりませんが、今回のケースではこの元理事長が何度も転売を繰り返して利益を得ていたことから、非課税となる生活用動産の売却ではなく、投資目的の売却として課税対象になる、と国税側は判断したようです。

 これとはまた別件で、競馬の馬券で多額の配当を得ていたにもかかわらず、その所得を申告していなかったとして、不動産会社の元社長ら2名が東京地検に告発された、というニュースも出てました。それぞれ3億円を超える(!)所得を隠していて、それぞれ1億円を超える(!)所得税を脱税していたとのことです。2人は海外在住の知人が開発した馬券購入システムを使って大量の馬券を購入していたそうですが、大量に購入するために中央競馬会で禁止されている他人名義での馬券購入もしていたようです。

 当たり馬券の配当金は偶発的に得られた収入として税務上は「一時所得」という区分になり、当たり馬券そのものの購入費(1枚100円ですか?)しか経費としては認められないため、通常は配当金のほとんどが課税対象になります(50万円までは非課税ですけど)。ただ例外的に、予想ソフトを使うなどして大量の馬券を反復継続的に購入していた場合などに限って、当たり馬券に加えてハズレ馬券の購入費も経費として認める取り扱いになっていて、今回もそのケースに該当するとして、大量のハズレ馬券の購入費も経費として認められたようだ、と記事には書いてありました。それでも一人当たり3億円の所得(利益)と1億円の税金ですが・・・

 上記の高級車の転売ではたった1台で1億円の「売却益」が出ていたものもあったそうですが、総額で5億円もの売却益って、投資としてみるとすごい実績です。また馬券購入だって、システムを使って大量に購入するなど、普通の人ではやらない(やれない)方法で稼ぐところまではすごいと思うんですが、その結果得られた所得をちゃんと申告して納税していればこんな問題にはならなかったのに、と思ってしまう私のような人は、そもそも、そういう稼ぎ方もできないんでしょうけどね・・・

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