西俊輔の「毎日楽しく」

2016年8月号(Vol.132)

先日、中国の上海に行ってきました。現地に進出した企業の見学や、現地で仕事をされている会計事務所関係の方との会食など、一部、仕事をからめたものではありましたが、ほぼ観光旅行でした(笑)。弊社のお客様やお付き合いのある方々で頻繁に海外へ行かれている方はけっこう多いですが、私は3年ぶりの海外でした。

上海というのはみなさんもご存知のとおり、世界を代表する大都会の一つです。私は上海が初めてでしたので、物価の高さや自動車事故の多さ(これは上海に限らず中国はどこでもそうか・・・)など、驚くことがたくさんありました。有名な観光都市でもありますから中国国内や世界中から観光客がたくさん来ていることもありますが、特に驚いたのは人の多さと、若い人たちが多かったことです。高層ビル群を眺められるポイントなどでは、あまりの人の多さに、「今日は何かのお祭りですか?」と、案内してくれた方に聞いてしまったぐらいです。北海道から東京に行くと、人の多さと街の活気にいつも驚くんですが、上海のそれは東京以上にパワフルでした。

今回の旅行中、ずっと案内してくれた方が現地に住んでビジネスをされている方だったんですが、この方から教えていただいたことで印象的だったお話がいくつもあります。たとえば、新しいビジネスを始めるということでいえば、日本に比べると中国のほうがずっとやりやすいとその方はおっしゃってました。日本ではとにかく規制が多いのに比べて、中国は私たちが思ってるほど規制がなく、自由度が大きいそうです。また、「資本主義」についての考え方も大変興味深いものでした。

日本は民主主義で資本主義と言われてますが、少なくとも資本主義という点では、中国のほうがずっと進んでいるという話です。アメリカもそうですが、中国ではお金持ちとそうでない人との所得格差が大変激しく、でもこれが資本主義であって、日本のように上と下の差がそれほど無い国は資本主義とはいえないという意見です。

そして、政治家の資質というお話しも興味深いものでした。中国の一党独裁という体制の良否はさておき、日本のような人気取りの選挙で選ばれる政治家とは違い、中国では長い出世競争を勝ち抜いてきた選りすぐりのエリート「政治家」たちばかりなので、交渉などで日本がかなうわけがないというのです。

もちろん、その良否を含めていろいろな意見はあるのでしょうけど、少なくとも現地に行ってみないとわからないことがたくさんあるということを痛感した旅行でした。

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